project: 岡山芸術交流2016 プレイベント「前川國男展」会場構成
client: 岡山県立美術館(岡山県)
design: フライヤー、ポスター、空間構成
category: cifaka,inc.所属時
2016年秋に開催された岡山芸術交流のプレイベント「前川國男展 -岡山からの提言-」のグラフィックデザインを担当。
戦前から戦後にかけて日本の近代建築をリードした前川國男氏。岡山においては、岡山県庁、天神山文化プラザ、林原美術館、と3つの建物を設計されているが、その岡山で開催する前川氏の痕跡をたどる展示である。
戦前から戦後にかけて日本の近代建築をリードした前川國男氏。岡山においては、岡山県庁、天神山文化プラザ、林原美術館、と3つの建物を設計されているが、その岡山で開催する前川氏の痕跡をたどる展示である。
前川氏の言葉から「一筆書き」「増殖」「プロムナード」というキーワードを抽出し、そのキーワードをきっかけにした会場デザインとなっている。
天井高が13mある会場の特性を生かして、浮遊し増殖していくような数々の貴重な資料や各建物のディテールをプリントした布(ボンジ)を天井から吊るし、その中に借用した模型なども展示。これまで出版されている前川氏の書籍から抽出した約100の言葉が配置された壁面もデザイン。また、前川氏が当時使用していたデスクや、交流のあった作家の作品などもあわせて展示した。
前川氏の考え方である「一筆書き」を意識した動線を展示物で表現。目線の高さにプリントした生地を吊るすことで浮遊した迷路を歩いているような感覚に陥るようにした。歴史を追いながらも彼の名言や考え方を散りばめ、「プロムナード」を歩くと、すっと彼の精神に入っていくような演出を心がけた。大きな壁面には名言を黒いカッティングシートで切り抜き、目一杯の言葉が迫ってくるようにしている。空間全体を彼の頭の中で満たすかのような展示会場は、とても面白い動線となった。